初めての家出・・・の顛末

「家出」という行為の多くは単に心配してもらいたいという欲求からだと思うのですが、かく言う私の初めての家出の体験は今から40年以上前の幼稚園児のときでした。

当時の私は仏教系の幼稚園に3年保育で通っていて、その日を迎えたときは3年目の「藤組」在籍でした。おぼろげな記憶では幼稚園で嫌なことがあって、とにかく幼稚園へ行きたくない一心で家を出て幼稚園の方向と45度ほど違う方向へ行き、家から200メートルほど離れた歩道橋下でじっとしていました。

恐らくその場所へいた時間はほんの数十分ほどだったと思うのですが、今と違い当時は近所の付き合いが濃密な時代で、見たことのある幼稚園児が歩道橋下で固まっている様を見た近隣の方が我が家へ知らせたのだと思います。あっさりと親により連れ戻され、幼稚園へ連行されました。その日のその後どうなったか記憶はないのですが、6歳児のささやかな抵抗を当時の親はどう思ったのでしょうか?

あのころの幼稚園を含む教育機関は今と違い教職の方に対する親たちの尊敬は確かに存在し、多少我が子が教職員に叱られようとも「怒られるお前が悪い」という認識が一般的だったので、子供からしたら生きずらい時代だったのかもしれません。

そんな場所へ行くことを拒んだ6歳児のささやかなサボタージュは親を含めた周囲の記憶には全く残らず、唯一私の記憶の中でセピア色の景色でしか思い出せないものとして残るのみです。